「わたしたちの田村くん」 感想など

 熱い!熱すぎる!
 走れメロス!メロスは走った!(←でも読んだこと無い。(苦笑))

 いきなりですいません。
 前回に引き続き、ラノベ感想(多少ネタバレ)など。

 今回は「わたしたちの田村くん」 (竹宮ゆゆこ著:電撃文庫)を取り上げます。
 文庫2冊完結(?)の学園ラブコメディーです。
 あらすじはここ
 (ただし、この解説は、本編内容とは多少のニュアンスの違いがあると思われます。(あくまでも私感ですが。))

 購入の動機は、先日購入した同氏の「とらドラ!」シリーズが面白かったから…という単純な理由です。(とらドラ!の感想は近日中に。)
 当然、私の好きな「無駄な魔法も奇跡も暴力もない」物語です。

 告白直後に「遠距離恋愛」になってしまい、いつしか彼女との連絡が疎遠になった主人公の前に、ひとりの美少女が現れた。彼女の悩みや苦しみに「味方」となってあげた主人公に対して、彼女は「私を好きになってほしい」「彼女にしてほしい」と。さて、主人公は…。

…で、冒頭の叫びとなるわけですが、とにかく主人公の田村くんをはじめ、ヒロイン2人(松澤、相馬)もよく走る走る!(←相馬はチャリですが…)
 それだけではありません。悩んで、すれ違って、叫んで、泣いてと、主人公と彼女たちの青春の感情のほとばしりがストレートに表現されています。まさに青春まっただ中!<冷めた人には「暑苦しい」と感じられるかもしれませんが。
 そんな「ストレートど真ん中の真っ向勝負」を挑んでくるようなスピード感と清々しさが本書の魅力です。

 ただし、そこは竹宮ゆゆこが描くラブコメ。真面目一辺倒なわけがありません。
 バックグラウンドとなるヒロインたちの抱える「悩み」は、真正面から捉えればかなり鬱です。しかし、それなのに妙な重さが感じられないのが「竹宮節」なのでしょう。

 以下に多数の本格的ネタバレを書く都合上、早くも結論を書くと、老若問わず、爽やかな後味の青春ラブコメストーリーにどっぷり浸りたい人にはオススメです。



(ここからネタバレ多数につき注意。)


 竹宮氏の筆致の特徴は、本書も「とらドラ!」もほぼ共通していますが

 主要登場人物に「(いわゆる)普通の人」がほとんどいない。

 性格的というよりも、家庭環境やこれまでの生育環境が…というほうがいいでしょうね。
 両親兄弟(ただし、兄も弟も超優秀、本人だけ凡人。)が揃っている主人公田村くんはまさに普通の人ですが、両親を亡くして「電波系」を装うようになってしまった松澤、中学校でいじめに遭い登校拒否になった相馬がヒロインとして脇を固めます。おまけに主人公の親友には、女好きの父親とそれに嫌気がさして愛人をつくって家を出た母親が両親で、現在父の愛人とその子ども(女の子)と同じ屋根の下で暮らしている高浦くん…とまあ、皆さんいろいろ抱えています。
 ある種、Keyのキャラ作りに似ていますね。

 しかし、逆にこれら癖のあるキャラがしっかり立って、コメディーパートおいてバックボーンの暗さを感じさせません。それが脇役であっても基本的に明るく面白い。ストーリーの中で溜め込んだ暗さはストーリーの中で発散させる、そのあたりのキャラ&ストーリーの書き分けは竹宮氏の真骨頂であると言えます。
(>溜め込んだ暗さをそのまま視聴者に飲み込ませたのが「エヴァンゲリオン」かも。人が何と言おうと、あたしゃあの最終回は認めないよ!)

 話は少しそれますが…
 本書の他の書評を見ると、田村君を「バカ」と表現する人が多いですが、私はそうは思いません。彼は、多少の優柔不断さはありますが、悩んで悩んで溜めたパワーを感情としてストレートに表現しているだけなのです。

 そこまでできた田村くんが正直、うらやましいです。
 この歳ではできませんよ、少なくとも私は。

 「オラに松澤か相馬を分けてくれー!」<ドラゴンボール風味

…と叫びたいぐらいです。

 世間(と言っても電脳内の狭い世間ですが…)では、かつて「君が望む永遠」の主人公である「鳴海孝之叩き」がありました。あいつは主人公っぽくない最悪なヘタレ男だと。
 田村くんに対する「バカ呼ばわり」同様、私はそうは思わない。
 恋愛で悩み、突っ走る奴はバカなのか。優柔不断な奴はすべからくヘタレなのか。
 では、もし同じ境遇になってもギャルゲの選択肢を選ぶがごとくパッパパッパと決断ができて、スマートかつスムーズな行動が取れると言うのか。もし本当にそうならば、素直に言いますよ。

 アンタはエラい…と。

 内心、「俺様以外はみんなバカ」と思っているのだろうと本気では信用しませんが。


 話は元に戻して…といってもこれで終わりですが、

「よくある質問」
A 如月さんは、松澤と相馬のどちらと付き合いたいと思いますか?

Q うーん、難しいですね。松澤の不思議ちゃんちょいボケぶりは可愛いのですが、時としてうざさが感じられるような気がしますし、相馬の勝ち気でストレートな愛情表現もわかりやすくて結構好きですが、これも度が過ぎるとしまいに五月蠅く感じられるようになるでしょうね。
 敢えて選ぶと、「料理上手」がポイント高くて相馬です。ただし、多少押しつけがましいのとゲーセン、カラオケが付き合えないのは減点ですね。
…でも、本編では松澤と主人公の「お付き合いシーン」がないので、本当のところはよく分かりません。不思議ちゃんではない「本当の松澤」(高速バスを追いかけた松澤が「本当の松澤」か?)はメッチャ明るくてもっとさばけてて料理上手なのかもしれませんしね。


(大きくネタバレ終了)


 最後に。
 やっぱり田村、松澤、相馬の今後が気になります。
 是非、続巻を希望します!

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