ご主人さん&メイドさま―父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります (電撃文庫) 感想

◎ メイドスキーな変態とメイド王女様のハイパワーストーリー

 メイド大好きオタク高校生・五秋陣こと「ご主人」と、傲岸不遜な金髪美少女「メイドさま」との主従逆転ドタバタラブコメ。第16回電撃小説大賞「銀賞」受賞作。

 電撃小説大賞の銀賞といえば、過去綺羅星のごとき作家さんが名を連ねています。
 今回銀賞受賞の本作ですが、最初にハッキリ言うと、よくこんな作品が銀賞を取れたな…と。こんな作品…といっても決して悪い意味ではなく、これまでの電撃小説大賞の作品群とはかなり毛色が違うという意味です。
 
 まず、本作の文章は、ネット用語やオタク語のオンパレードで、あまりそちらの用語がわからない方やアレルギーのある方には、前半は何が面白いのかさっぱりわからないのではないかと思われます。
 それはさておき、現代日本「風」の国…大日本ポン帝国の首都・秋葉原に住む主人公の陣は、ただのメイドスキーではなく、変態の域に達している筋金入りのメイドおたくです。それに対してメイドさまは、王女様!この身分違いな2人は10年前ある約束をしており、メイドさまはその約束を果たすため来日します。しかし、陣はラノベにありがちな「約束を忘れている」パターンです。ま、普通あんな強烈な出会い方をしていたら忘れるはずがないような気もしますが…。

 本作の特徴は、ネット用語の他、登場人物などいろいろなネーミングセンスなどを含め、まるでテンションの高いギャグマンガを読んでいるような独特な文体にあります。そして、妙に熱い…いや暑苦しい人たちによるハイパワーなストーリー展開は、一種の突き抜けた爽快感があります。
 オビで「とらドラ!」の竹宮ゆゆこ氏が推薦文を書いていますが、読後、この妙なテンションの高さは確かに「確変」に入った時の竹宮ゆゆこ作品に近いモノがあるなと感じました。ただし、本作は全編にわたってなので、読むのにそれなりのパワーが必要になります。

 本作についてこれ以上の事を言うのは難しいのですが、敢えて言うならば、変態やらエロやらフェチやらを扱うにしても、どうせやるならこれぐらい突き抜けてくれれば、多少の設定の何でもあり感やストーリーの粗末さなんて些末なこととして感じられ、純粋に楽しんで読める本として成り立つ良い例だと思います。
 最近、受賞作という共通点もある似たような本として「U・F・O 未確認飛行おっぱい」(ファミ通文庫)がありました(当ブログで感想記入済み)が、そこで感じた中途半端さの部分を解消するような突き抜け方には賛辞を惜しみません。
 変態ギャグラノベとしての強いインパクトと新人らしからぬ力量を示してくれましたが、ただ、同じようなモノを2巻3巻と続けられるのかは少々不安なところです。今後、テンプレ的なラノベらしいラノベを求められた時、どのような作品を書いてくれるのか、それはそれで楽しみです。

 新人作家による作品というのを加味して、★5つ付けます。


ご主人さん&メイドさま―父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります (電撃文庫)
アスキーメディアワークス
榎木津 無代

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開き直りすぎた傑作  ...
絶対にMW文庫賞じゃ ...
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