「はたらく魔王さま」(電撃文庫) 感想

 お久しぶりです。
 巷では大雪が降ったり、火山が爆発したり、与党民主党が分裂したりと不安定な世の中ですが、そんなときは、ライトノベルで楽しい気持ちになりましょう。

 では、標題作の感想など。

◎ 電撃大賞の層の厚さを思い出させた快作

 世界征服まであと一歩だった魔王サタンは、勇者に敗れ、異世界『日本』の東京・笹塚にたどり着く。そんな魔王が日本でできること。それはもちろん“世界征服”!!―ではなく、駅前のファーストフード店でアルバイトをしながら生活費を稼ぐ、いわゆるフリーター生活だった!その頃、魔王を追って時空を越えた勇者エミリアもまた、テレホンアポインターとして日本経済と戦っていた。そんな二人が東京で再会することになり―!?六畳一間のアパートを仮の魔王城に、今日も額に汗して働くフリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー。第17回電撃小説大賞“銀賞”受賞作登場。

 まずは、面白かったです。
 魔王と勇者という、よくある王道パターンであるはずが、まず設定の面白さにやられました。
 多少強引なところがあったものの、異世界…というよりファンタジーの世界からやってきた登場人物が、モロ現実的な生活を強いられているにもかかわらず飄々としているしているところの「ギャップ」が何とも面白かったですね。徹底した生活感溢れる貧乏暮らしは、イエスとブッダに立川で貧乏暮らしをさせるという、あの人気漫画「聖☆おにいさん」を上回ります。

 マクドの売り上げ地域一位に真面目に取り組む魔王様ってどうよ。

 かたや、ド○モのテレサポートやってる勇者様。財布無くしたりヒールで階段落ちたりって、普通ならドジっ娘テヘヘで可愛い…な感じなのに、妙に「トホホ…」な感じがまた良いですね。

 今巻は、コメディの中に垣間見える勇者・エミリアこと恵美の心の動きが見所です。父の敵として、魔王を倒すことに賭けてきた彼女が異国の地・東京で見つけた魔王が、実は真面目で良い奴だったなんて…。
「アイデンティティー崩壊」ともいえるこのあたりの心情の動きがもう少し書けていれば、もっと感情移入できたかも知れませんが、そこはまだ新人さん。贅沢を言ってはいけません。

 今後、恋のさや当てをするであろう「ちーちゃん」より、断然ツンデレ勇者を応援したくなりました。

 一応バトルもあるでよ…ですが、多少緊迫感が足りないところは、この作品の空気とも言えますね。

 この作品、電撃大賞の銀賞受賞作ですが、これは電撃では久々に将来性が感じられました。
 さすが電撃、層の厚さを再認識しました。

 次巻に期待の★5つです。



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