「Shall we dance?」日米比較

 昨日、サッカーW杯日本-豪州戦をテレビ観戦しました。ファンの皆様には申し訳ないですが、あの試合展開では負けても仕方ないですね。FWに「俺が決める!」という気持ちが伝わってこない。ゴールを目の前にして簡単にボール回しが出来ないのが強豪揃うW杯。もっとシンプルにフィニッシュまで持ち込まないと点は取れないような気がします。小野、大黒の投入も、交代意図と交代相手が疑問です。

 さて…
 先日、数年前にヒットした周防正行監督の映画「Shall we dance?」の米国リメイク版を見ました。
 事前に「かなり日本版に沿っている」との情報を得た上で見てみましたが、確かにかなりの部分で日本版と同じシーン構成になっていました。

 しかし、あくまでも私の個人的感想ですが、この2つの映画は「似て非なるモノ」で、やはり日本版にかなわないかな…と感じました。
 それは、決して「オリジナル(あるいは元祖)には勝てない」という意味ではありません。「Shall we dance?」のストーリーは日本版のシチュエーションのほうが合っている…と言いたいわけです。

 例えば、役所広司演じる課長(杉山さん)とリチャード・ギア演じる遺言担当弁護士(クラーク)。課長一家と弁護士一家。ラストシーンに近づくにつれ動き出す家族のやりとり、ラストシーン…こういうのは日米の「国情」の違いなのでしょう。結局最後はカラッと「家族愛」「夫婦愛」に持っていくところがさすがアメリカという感じでしょうか。
 それはさておき、確かに米国版では主役の彼が「足りないもの(空虚感)を埋めたい」という気持ちは伝わりましたが、彼は、高校時代に卒業ダンスパーティーで踊っている、いわば「ダンス経験者」。既に自宅も持っており、社交ダンス(ボールルームダンス)に対する「世間的な目」だって日本とは違うでしょう。日本版の彼よりも「恵まれた環境」である事は確かであり、そのために物語が薄っぺらになった印象は否めません。

 それに対して、日本版の彼のシチュエーションを考えてみてください。さえない課長が郊外に住宅ローンを組んで建てたマイホームと会社との往復の日々。ダンスの経験すらない彼が、車窓から見かけたダンス教師(日本版では草刈民代)に惹かれてダンス教室に飛び込むという、プラトニックなドキドキ感や世間の目、家族の目を気にしながらの「日常の中の小さな冒険(=非日常)」なのです。その心情について、役所広司の好演によって身近に感じ、少なくとも私ぐらいの年代までのサラリーマンの共感が得られたのではないかと思うのです。(若い人たちにはどうかとは思いますが…。)

 まあ、アメリカ映画の中の「非日常」は、地球に向かって巨大隕石…とかいう派手なシチュエーションですが、日本版のシチュエーションはそれに比べてあまりに小さく精神的なものなのです。しかし、「Shall we dance?」からこれらのエッセンスを除いてしまったら、単なる「ハートウォーミングダンス映画」になってしまうような気がします。

 あと、ダンス教室の教師(日本版:舞、米国版:ポリーナ)比較でいうと、やはり草刈民代の方に軍配を上げたいですね。さすが現役バレリーナだけあって、演技は「大根」だったもののそれを上回る「気品」を漂わせていました。「ツンデレ」好きな私としても、あの極端さがいいのです。それに比べて、残念ながらジェニファー・ロペスはあまり気品が感じられませんでした。
 ダンス教師といえば、米国版では物語の大きなシチュエーションであるはずの「ブラックプール」関係の話がほとんどカットされていました。何故なのかはよく分かりませんが、シナリオ的にポリーナの「人間的背景」が影薄くなった原因ではあります。

 その他、脇役陣については米国版もなかなかのものでした。米国版でそろえた役者さんは「まあよくもそろえたな」と思えるほどオリジナルに忠実だったのには笑えました(1人…「引越のサカイ」でおなじみの徳井優さんが演じた役を除いて)。

 ともかく、このような感想を持ったのは、やはり私が日本人だから…というのが大きいような気がします。アメリカ人だったら、結局米国版がいいというのでしょうね。

 ※ この記載は、あくまでもオリジナル(日本版)との比較です。米国版単体の評価ではありませんのであしからず。

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