イリヤの空、UFOの夏

 最近読んだラノベ感想(多少ネタばれ)です。
 今回は、「イリヤの空、UFOの夏」(電撃文庫)です。

 まずは参考までにあらすじ(というよりもアニメ設定)はここ

…やっぱりアニメになっているんですねぇ。そもそもこの本の構成というか場面の切り取り方がアニメっぽい感じになっていて、アニメにしやすいだろうなぁ…と読みながら思っていました。

 本書は文庫4巻完結です。典型的なボーイミーツガールもので、夏休みから秋にかけて…の話がじっくりと書かれています。

  「紛争」の渦中にある「基地の街」にある学校に通う主人公らが、紛争の激化に伴って平和だった生活が翻弄される…という書き方をすると多少大げさですが、大きな流れとしてはこんなものです。
 ストーリー展開の大きな流れとしては、前半・中盤はほのぼのとしていて、後半からラストに向かって波のように主人公と伊里野をワッと攫っていってしまうというもので、何となく「Air」(key)を思い出しました。

 登場人物は、軍関係者が結構登場するだけに「謎」な人が多いです。しかし、みなとても人間臭さが感じられました。

 私がこのタイトルから想像した「雰囲気」は、ほのぼのしてて多少ノスタルジックな学園モノ…ああ、あの夏がナツかしい(一応シャレです)…でした。実際、前半はそのとおりでした。しかし、後半の内容は、前半のごとく「リラックスのためにハッピーエンド本を読む」という雰囲気ではありません。主人公自らの意志で切り開いていったかに見えた「逃避行」が実は…。

 実際、私の読後感は一言「もやっとした喪失感」です。そのココロを書くと思いっきりネタばれですのでやめておきますが。先程、「何となくAir」と書いたのは、そういうところにあるのかもしれません。また、前述したように、軍関係者に「謎」の人が多く、軍だけに「真実は闇の中」っていう感じがして、それが「もやっと感」の理由の一つのような気がします。
 それでも、全体的には近未来的な情景のようで、しかし「青春」というノスタルジーに浸ってしまうような、そんな本です。

 ちなみに、この本は紛争中の軍隊も絡む話なのに、戦闘や暴力など「その手のシーン」はほとんどありません。例えば戦争関係のラノベで有名な「フルメタルパニック」や「ガンパレードマーチ」とは対極の位置にあり、その手のシーンが好きな人にとっては肩すかしを食らうはずです。まあ、主人公がごく普通の中学生であり、当たり前といえば当たり前なのですが…。

 対極と言えば、この本、「視点」がしょっちゅう変わります。全編がキョン1人の視点で語られる「涼宮ハルヒ」とは対極です。

 も一つちなみに、「活字中毒患者」である我が家のビール犬。けがをした足の調子が悪くて車の運転がままならずなかなか図書館に行けなかったことや本代の節約など、様々な理由により、先日、私の持っているラノベ類を一気にすべて読破しました。
 そのスピードの速さに驚いたのはどうでもいいとして、一言「みんなパターンが一緒でつまらない。」「内容が浅い。」とこぼしていました。そもそも、読んだタイトルすらうろ覚えの状態だったのですが、唯一「面白かった。これだけは泣けたよ。」と言っていたのがこの本でした。

  という訳で、この本はおすすめです。

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この記事へのコメント

2008年02月29日 22:38
私も読んだので感想なんぞを

ノスタルジーにはすごく同感ですね
かなり狙ってやってる気がしました
鉄人料理対決の話が一番好きです

印象に残ってるシーンで「南の島到着」があります
事前に幸せな妄想を入れて置いてあるので(浅羽が床屋で暮らすみたいな
アレレもしかしてハッピーな展開? と思ったら
「その島の名前は……」
あとはやっぱり虫掘り出すシーン
読んでて呼吸を忘れてて苦しかった
2008年03月03日 10:43
おお、同感です。<鉄人料理対決
あの場面、イリヤが一番「青春」していたシーンではないでしょうか?
女の子が「食べる」シーンって、考えようによってはセクシーかな。

南の島の妄想シーン、いいですよね、アレ。アレがあるから、読み手の心の重さが増幅されるというか、突き落とされるような感覚が。
エヴァの「もしも綾波が…」妄想シーンとちと重なりました。
…あれ?F&Cの「水月」でもあったぞ。
こう考えると、結構この手の「妄想」って多いのかも。

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